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卒FIT 各電力会社の買取価格について

2012年7月から始まったFITと呼ばれる10年間の再生可能エネルギーの固定価格買取制度。FIT法の導入は2012年だが、実際に太陽光発電の電力買取制度が始まったのは2009年だ。

つまり、この制度が導入された当初に太陽光パネルを取り付けた家庭は、買取期間の終了が目前に迫っているのである。

そこで東京電力エナジーパートナーや北海道電力を含む大手電力会社10社は、6月末までに各々FITの買取期間が終了した後の独自の余剰電力買取プランを発表した。

各社の買取単価は1kWhあたり7円~9円とあまり開きはない。

しかし10社のうち殆どの電力会社が、単なる「買取プラン」だけでなく、他にも「預かりプラン」等様々なプランを併せて提案している。

ちなみに「預かりプラン」とは、自宅に蓄電設備が無くても余剰発電分を仮想的に電力会社に預け、預けた電力分の割引が受けられるというものだ。

このプランは沖縄電力以外の9社が提案している。加えてポイント還元等のプランを提案しているところもある。

中でも「預かりプラン」は蓄電設備なし利用できる為、蓄電設備の関連会社には脅威となるかもしれない。

しかし、ある蓄電設備の関係者は「一見するとお得な蓄電プランに見えるが、実際は停電時に電力を取り出す事が出来ない、蓄電とは全く別のプランだ」と話している。

実際「非常用電源」として蓄電設備を設置している家庭は多いようだ。「預かりプラン」の導入は、蓄電設備の会社に決して小さくはない打撃を与えるだろう。

しかし、非常用電源としての役割を担える蓄電設備の需要が0になる事は無いのではないだろうか。

また、大手電力会社だけでなく新電力会社も卒FITの対策を進めている。その中で電力会社と蓄電池メーカーとの接触も増えているようだ。

新電力会社が掲げる大手電力会社との差別化を図るプランとしては、電力の買い取り対象を自社の顧客限定にして電力の買取単価を10円以上と高額にしたり、反対に対象を限定せず全国誰でも契約できるプラン等がある。

エネットでは7.2円~9.3円でNTTスマイルエナジーを仲介して電力を買い取る予定だが、NTTスマイルの遠隔監視装置を購入したり、パナソニックの蓄電設備を設置した家庭には1年間限定で最高16円で買い取るプランもあるようだ。

これから、ますます卒FITの対策として新しいプランが生まれる事だろう。

電力会社や蓄電池の関連会社が時には協力し、そして時には競争する事で、太陽光パネルを設置した家庭への買取に対するサービスが良くなっていく事を期待したい。

コラム
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