電気は毎日の生活における「生命線」
近年は大規模な災害の発生が増える傾向にあり、災害発生後のニュースでは、停電が報じられる場合もあります。
停電は短時間であっても非常に不便に感じてしまうものですが、そんなときにこそ活用したいのが「太陽光発電」です。停電中でも電気が利用できるため、安心した気持ちで過ごすことができます。
太陽光発電は停電時こそ有効
日本では、規模の大きな地震が発生しやすいほか、夏から秋にかけては台風の被害が起きやすく、それに加えて近年は豪雨災害にも見舞われることが多くなりました。
日本は「災害大国」と呼ばれることがありますが、それゆえに、日頃から防災グッズを常備して災害に備えている家庭も多いことでしょう。
防災という観点からみれば、「太陽光発電」も十分に役立ちます。なぜなら、大規模な災害が発生した場合は電力の回復に時間がかかることが多く、周囲の地域が停電していても、太陽光発電が利用できれば、家庭内で問題なく電気が使えるためです。
電気が使えなければ、夜の照明は懐中電灯などのかすかな光に頼らざるを得ない状況となるほか、夏は暑さがしのげず、冬は寒さをしのげないことになってしまいます。
さらに、料理、洗濯、掃除などの家事もほとんどできないうえに、情報を入手するためのテレビやスマホも利用できず、ラジオに限られます。
つまり、電気が使えなければ私たちの生活は大きな支障が生じることになりますが、太陽光発電の設備を所有していて、災害後も問題なく利用できれば、日常と変わらない生活を送ることができるのです。
停電時に太陽光発電の電力を使うには?
太陽光発電の設備がある場合、停電してもそのまま電気が利用できるように感じられますが、停電すると、太陽光発電の設備もストップしてしまいます。
その理由は、通常の太陽光発電では「系統連系運転」を行っており、電力会社の電気設備と接続している状態であるためです。
これにより、太陽光発電だけでは電力が不足している場合に電力会社から供給してもらったり、逆に、太陽光発電で過剰となった電力を販売したりできます。
停電時に太陽光発電を利用するためには、パワーコンディショナーを「自立運転」に切り替えます。それによって、太陽光パネルで発電した電力を家庭内で直接使えるようになるのです。
なお、自立運転を行う場合、安全のため太陽光発電用のブレーカーをOFFにします。その後、パワーコンディショナーのスイッチをいったん切り、再度スイッチを入れます。パワーコンディショナーに「自立運転」の表示が出れば、停電中でも電力を利用できます。
また、電化製品を利用する場合は、自立運転用のコンセントに電源コードを差し込みます。自立運転中は、通常のコンセントが使えない点に注意が必要です。
多くの機種では、利用できる電力の上限は1500Wとなっています。電子レンジやドライヤー、炊飯器など、熱や動力を発生させる電化製品は電力の使用量が多いため、これらの使用はできる限り控えておきましょう。
さらに、蓄電池も活用すれば、日中に発電して余った分の電気を蓄えられるので、夜間も電気を利用できます。
停電中でも普段とさほど変わらない生活を送れると、電気のありがたみを実感できるはずです。
災害時は、太陽光発電が大活躍!
2019年9月9日、台風15号は強い勢力を保ったまま千葉市に上陸しましたが、猛烈な暴風が吹き荒れ、電力設備は広範囲にわたって被害を受けました。
東京電力ホールディングスの発表によると、停電戸数が最大となったのは9月9日の午前7時50分時点で、東電管内で93万戸に達しました。
参考:東京電力ホールディングス
http://www.tepco.co.jp/press/release/2019/1517227_8709.html
特に被害が大きかったのは千葉県で、送電線の鉄塔が倒壊したほか、電柱が多数倒壊したために停電の復旧は困難を極めました。
産経新聞は、
東京電力は24日夜、同県内で発生していた停電が15日ぶりに解消したと明らかにした。
(引用:産経新聞 2019年9月24日付)
と報じました。停電の発生から解消までは、約2週間を要したことになります。
千葉県内では多くの地域で長期間にわたって停電し、日常生活がマヒしましたが、太陽光発電の設備を所有している家庭では電力が使えたことを、日経クロステックが報じています。
ネット上に多くみられるのが、「太陽光発電に救われた」「昼間は冷蔵庫、洗濯機、扇風機を動かせスマホも充電できる」「電気自動車が役に立った」という声だ。太陽光発電の有無で停電時の不自由さに大きく差が出ている。
(引用:日経クロステック)
大規模災害を原因として停電が発生した場合、電力設備の復旧に時間がかかる点がネックとなりますが、太陽光発電の場合は自宅で発電できるため、周囲が停電していても問題なく電気を利用することができます。
普段何気なく利用している電気が長期間の停電で利用できなくなったときほど、太陽光発電に注目が集まる傾向があります。
今や、電力なしでは生活できない時代となっていることから、非常用の電源という観点からみても、太陽光発電システムを設置することは、いざというときに大いに役立つといえるでしょう。
(画像は写真ACより)