太陽光発電システムを設置する際には工事をする必要があります。しかし、実際にどんな工事が行われているのかを見る機会はほとんどありません。
そこでどんな工事を行うのか気になりませんか?今回の記事では、太陽光発電システムの設置時に行う工事について解説します。
どんな工事が行われるのか。工事の種類はあるのか。工事で設置される部品の役割は何なのか。この記事を読んでこれらの疑問を解消してください。
そもそも太陽光発電システムで行われる工事とは
太陽光発電システムを設置するときは、設置工事と電気工事の2つが行われます。設置工事だけで太陽光発電の電気が使えると勘違いしているケースがありますが、電気工事も行わなければ蓄電できず、売電することができません。
太陽光パネルの設置、発電システムの実装によって太陽光発電が成り立つようになります。
太陽光発電で重要な電気工事と役割とは
太陽光発電システムを設置するときの基本的な工事としては、「太陽電池モジュールの設置・配線」「パワーコンディショナーの取り付け」「分電盤の取り付け」などが挙げられます。これらを行わないと、太陽光で発電することができません。
太陽電池モジュールは「太陽光パネル」とも呼ばれるパーツ。パワーコンディショナーは太陽光で発電した直流の電気を家電などで使用できるよう交流に変換するための器具です。分電盤は電気の使いすぎ防止や売電をするために必要です。
太陽光パネルの設置工事と役割とは
太陽光パネルの設置工事では、「架台の設置」「パネルの取り付け」が行われます。太陽光発電システムを設置する場所によっては、整地を行う場合もあります。
架台にはパネルを長期間に亘り支え続ける役割。パネルには太陽光を電気エネルギーに変える役割があります。
太陽光発電システム設置工事の種類
太陽光発電システムの設置工事は、産業用か住宅用かによって大きく異なります。
産業用の太陽光発電システムを設置する場合の工事内容としては、主に「布基礎工法」「スクリュー杭工法」の2種類が挙げられます。
住宅用の太陽光発電システム工事では、屋根にパネルを設置することがほとんどです。そのため、屋根に使っている素材によって工事内容が少し変わります。
産業用太陽光発電システムで行われる工事内容
産業用太陽光発電システムを設置する場合、面積が広くなることがほとんどです。そのため、最初に設置予定地の整地を行います。そのあと、墨出しと呼ばれる具体的な設置位置と架台の取り付け位置が決定されます。
架台の取り付けが完了したらパネルを設置し、ケーブルが混雑しないように配線を行います。架台の裏にパワーコンディショナー、ポールに集電箱を設置。最後に電力会社のメーターが取り付けられて完了です。
「布基礎工法」では、まず地面を掘ってできた空間にコンクリートを流し込み受け台にします。そのあと型枠と鉄筋を設置し、またコンクリートを流し込みます。
太陽光発電に限らず、多くの建築現場などで多く用いられる工法で、施工性が良いことや見た目が良いことが特徴です。ただ、コンクリートが固まるまで待つ時間があるため、施工期間が長くかかります。
コンクリートを用いる工法としては、「布基礎」以外に「ベタ基礎」が挙げられます。「ベタ基礎」では、コンクリートを架台を設置する地面全体に流し込むため、地面に対してかかる重量が均等です。ただし、使用するコンクリートの量が多くなるため、「布基礎」よりもコストがかかります。
「スクリュー杭工法」では、スクリュー杭と呼ばれる架台の基礎となる部品を地面に打ち込みます。打ち込んだ後は、引き抜き耐久テストを実施し、強度が充分であるか確認。
こちらは「布基礎工法」よりも施工にかかる時間が短く、費用も安価に抑えられます。そのため、近年の産業用太陽光発電の設置工事では、「スクリュー杭工法」が多く用いられます。
地面に架台の基礎を打ち込む工法では、「スクリュー杭」以外に「単管パイプ」が使われます。しかし、「単管パイプ」はコストがもっとも抑えられますが、強度が弱いことが懸念されます。
住宅用太陽光発電システムで行われる工事内容
住宅用太陽光発電システムを設置する場合、最初に墨出しを行います。次に架台を設置するための穴を空け、コーキングと呼ばれる防水処理を施工。そして、ビスで架台の取り付けを行います。なお、架台を取り付ける金具は屋根の素材によって変わります。
架台の取り付けが終わると、太陽光パネルの設置が行われます。コネクタは設置時に接続。設置工事が終わったあとは、屋内で配線やパワーコンディショナーの設置などの電気工事を行って完了です。
(画像はPixabayより)
まとめ
太陽光発電の工事について理解できましたか?
太陽光発電システムは何段階もの過程を経て成り立ちます。それぞれのパーツに重要な役割があるので、太陽光発電を利用するときはできるだけ妥協せず、工事を依頼するメーカーにこだわることが重要です。