コラム

今後のためにも理解しておきたい!太陽光発電が抱える課題とは?

コラム
2019年8月30日

課題の克服が、さらなる普及のカギに

太陽光発電は、自然環境に対して負荷がかかりにくいことや、エネルギーが無料で利用できる点がメリットです。

一方で、課題に目を向けると、広大な敷地を必要とすることや発電コストが高いこと、発電量が不安定で大規模停電の原因につながることがあげられます。これらを克服していくことが今後の課題といえるでしょう。

発電に広い敷地が必要

太陽光発電の課題としてあげられることは、発電に広い敷地を必要とすることです。

例えば、大阪府堺市にある「堺太陽光発電所」は、太陽光パネルを設置している面積は約21万m2、総出力は1万kWとなっています。

一方、同じく堺市にある「堺港発電所」は天然ガス(LNG)で発電を行っていますが、発電用設備の面積は約10万m2、総出力は200万kWです。

このことからも、太陽光発電でまとまった量の発電を行うためには、広い敷地を必要とすることが分かります。

また、堺太陽光発電所の総出力は1万kW、堺港発電所の総出力は200万kWですが、100m2(約30坪)あたりの出力を計算すると、堺太陽光発電所は約4.8kW、堺港発電所は約2000kWとなり、単位面積あたりの発電量は、太陽光発電所は天然ガス発電所の約400分の1にとどまります。

参考:関西電力 再生可能エネルギーとは
https://www.kepco.co.jp/

太陽光発電は、発電効率の面からみても改善の余地があるといえるでしょう。

他の発電方法と比べて発電コストが高い

そのほか、太陽光発電で課題となっている点は、他の発電方法と比較して発電コストが高いことです。

経済産業省の発電コスト検証ワーキンググループは、2014年時点における各発電方法の発電コストを公表しています。

それによると、最も発電コストが低いのは原子力発電で1kWhあたり10.1円、2番目に低いのが一般水力発電で11.0円、3番目に低いのは石炭火力発電で12.3円となりました。

一方、太陽光発電のコストは、メガソーラーが24.3円、住宅向けの太陽光発電が29.4円で、他の発電方法と比較すると割高となっています。

参考:長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告(案)※10ページ参照
https://www.enecho.meti.go.jp/

太陽光発電のコストが高い理由としては、諸外国と比較して太陽電池(モジュール)の価格が高いこと、そして、設置工事費が高いことがあげられます。

コスト引き下げのためには、モジュール製造の効率化や流通コストの低減、設置工事の効率化による低コスト化に取り組んでいく必要があります。

発電量が過剰となる点も問題に

また、太陽光発電は過剰に発電しすぎる点も問題となっています。

発電量が増えて問題となるのは、電力を貯めておくことができないこと、送電線の容量の問題もあり、過剰となった電力を流すことができない点です。

電力の需要量以上に供給量が増えてしまうと、周波数や電圧が変動しやすくなりますが、それによって発電設備が停止し、大規模な停電を引き起こしてしまうことがあります。

この問題は、特に九州で顕著となっており、2018年には太陽光発電を一時的に停止する「出力制御」を実施しました。

原料のシリコンが不足する可能性も

それ以外にも、太陽電池の原料であるシリコンが不足する可能性についても着目しておきたいところです。

シリコン不足が特に問題化したのは、太陽光発電が急速に普及した2000年代でした。

なお、2008年になると、リーマンショックによって世界経済が減速し、太陽光発電の普及のペースが低下しはじめます。

それに加えて、シリコンは資源量としては豊富であること、各国で太陽電池の生産量を増やしたことから、2010年代に入ると、シリコン不足は解消へと向かいました。

しかしながら、シリコンは太陽光以外にも電化製品やパソコンなどの精密機器に幅広く使用されていること、太陽光発電が普及し続けることで、シリコンの不足に見舞われることも十分に考えられます。

なお、シリコン不足の対策として、シリコンの使用量を抑えた「薄膜シリコン型太陽電池」や他の原料を使用した「化合物半導体太陽電池」が開発され、それらの利用も広がっています。

(画像は写真ACより)