効率的な発電のために日射量を知りたい!ネットで調べられる?

コラム
投稿日:2019年10月11日 / 更新日:2026年4月28日

太陽光発電の発電量を大きく左右するのが「日射量」です。 新規設置の検討はもちろん、既設発電所のリパワリング(パネル交換)を検討する際にも、現地の日射量データは重要な判断材料になります。 この記事では、日射量の基礎知識から、NEDOや気象庁のデータベースを使った調べ方、地域別の日射量ランキング、そして発電量の計算方法まで、実務で使える情報をまとめました。

日射量とは?

日射量とは、太陽から放射されたエネルギー量のことです。 瞬間的なエネルギー量は「kW/m²(キロワット毎平方メートル)」で測定され、積算されたエネルギー量は「kWh/m²(キロワットアワー毎平方メートル)」、または「MJ/m²(メガジュール毎平方メートル)」で表されます。 太陽光発電においては、日射量の単位は「kWh/m²」が用いられることがほとんどです。

なぜ日射量が重要なのか

日射量が重要視される理由は、日射量が発電量を直接左右するためです。発電量は以下の式で計算されます。

発電量(kWh)= パネル容量(kW)× 日射量(kWh/m²)× システム係数システム係数とは、パネルやパワーコンディショナーの変換ロスを加味した数値で、一般的には0.80〜0.87(平均0.85)です。つまり、日射エネルギーの約15%前後はロスとして失われます。

「NEDO」のデータで日射量を確認しよう

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、地域・季節・パネルの設置角度ごとの日射量データを「日射量データベース閲覧システム」で無料公開しています。 

参考:NEDO 日射量データベース

使い方の手順

  1. 上記のNEDOページにアクセスし、「日射量データベース閲覧システム」を開く
  2. 全国地図から調べたい地域をクリック、または地名を選択
  3. 「角度指定」を選び、パネルの傾斜角と方位角を入力
    • 傾斜角:一般的には10〜30度(地域による最適値あり)
    • 方位角:南=0度、南東/南西=45度、東/西=90度
  4. 月別の日射量グラフが表示される

例えば、東京で南向き・傾斜角30度の場合、年間平均日射量は約3.74 kWh/m²/日となります。

「気象庁」で日別の日射量データを参照

気象庁では、全国の気象観測所で計測された日別の日射量データを公開しています。 

参考:気象庁 過去の気象データ検索 

NEDOのデータが「平年値(長期平均)」であるのに対し、気象庁のデータは実際の日別データです。特定の月や日の日射量を確認したい場合に有用です。既設発電所の発電量と日射量を突き合わせて、パネルの出力低下を検証する際にも活用できます。

都道府県別 年間日射量ランキング

日射量が多い地域ほど太陽光発電の発電効率が高くなります。NEDOのデータをもとにした、年間日射量が多い都道府県の目安は以下の通りです。

順位都道府県年間平均日射量
(kWh/m²/日)
特徴
1山梨県約4.52盆地で晴天日が多い
2高知県約4.42太平洋側で日照時間が長い
3群馬県約4.38冬季の乾燥した晴天が多い
4静岡県約4.35温暖で日照に恵まれる
5長野県約4.32標高が高く大気が澄んでいる

※ 水平面の年間平均日射量(参考値)です。傾斜角30度・南向きの場合はさらに高くなります。 九州や中国地方は日射量が多いイメージがありますが、実際にはフェーン現象で晴天日が多い内陸部(山梨・群馬・長野)が上位に入ることが特徴的です。

日射量から発電量を計算する方法【実例付き】

実際の発電量をシミュレーションしてみましょう。

計算式

年間発電量(kWh)= パネル容量(kW)× 年間平均日射量(kWh/m²/日)× 365日 × システム係数

計算例:50kWの産業用太陽光発電所(東京都)の場合

パネル容量50kW
東京都の年間平均日射量3.74 kWh/m²/日
システム係数0.85
年間発電量約58,050 kWh
FIT単価12円/kWhの場合の年間売電収入約69.7万円

同じ50kWでも、日射量が多い山梨県(4.52 kWh/m²/日)の場合は年間約70,100 kWhとなり、東京より約20%多く発電できます。設置場所の日射量は、事業性を判断する上で非常に重要な要素です。

日射量は十分なのに発電量が低下?その原因と対策

太陽光発電所を長年運用していると、「日射量は例年通りなのに発電量が下がっている」というケースが出てきます。この場合、以下のような原因が考えられます。

原因1:パネルの経年劣化

太陽光パネルは年間0.5〜0.8%程度の出力低下が一般的です。10年で約5〜8%、20年で10〜15%の発電量低下が見込まれます。メーカーの出力保証(通常25年で公称出力の80%以上)の範囲内であれば正常な劣化ですが、保証値を下回る場合はパネルの不良が疑われます。

原因2:パネルの物理的な破損

飛来物や雹(ひょう)、積雪荷重によるパネルの割れ・クラックは、発電量低下の大きな原因です。目視では確認できないマイクロクラックでも、1枚の破損がストリング全体の出力低下につながるケースがあります。

原因3:パワーコンディショナーの故障

パワコンの寿命は一般的に10〜15年です。故障すると発電自体が停止するため、定期的な点検・交換が重要です。

対策:リパワリング(パネル交換)で発電量を回復

パネルの劣化や破損が発電量低下の原因である場合、リパワリング(既設パネルの交換)が有効な対策です。 ただし、ここで問題になるのがパネルのサイズです。現在市場に流通しているパネルは高出力化に伴い年々大型化しており、10年前に設置したパネルと同じサイズのものが入手しにくくなっています。 サイズが異なるパネルに交換する場合、架台の改修や配線の再設計が必要になり、交換コストが大幅に増加します。

旧サイズパネルの交換でお困りの方へ

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  • 架台改修不要でリパワリングコストを大幅削減
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陸屋根(フラットルーフ)での日射量最適化

工場や商業施設の陸屋根に太陽光パネルを設置する場合、傾斜角の設定が発電効率に直結します。 NEDOのデータベースで最適な傾斜角を確認できますが、一般的に日本国内では傾斜角10〜30度が発電効率の良い範囲とされています。 ただし、陸屋根に架台を設置する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 風荷重:傾斜角が大きいほど風の影響を受けやすく、架台の固定方法が重要になる
  • 防水層への影響:アンカー固定(穴あけ)は防水層を傷つけ、雨漏りのリスクがある
  • 建物の荷重制限:屋根の構造上、載せられる重量に制限がある

陸屋根への太陽光設置をご検討の方へ

ソーラーデポでは、アンカーレス(穴あけ不要・置くだけ設置)の陸屋根用架台「UP-Base NEO」を提供しています。

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まとめ

太陽光発電の発電量を正しく把握するためには、日射量データの活用が不可欠です。

  • NEDOのデータベースで地域別・角度別の年間日射量を確認
  • 気象庁のデータで日別の実測値を参照
  • 発電量の計算式で事業性をシミュレーション
  • 発電量が低下している場合は、パネル劣化や破損を確認し、リパワリングを検討

日射量データの分析、発電量のシミュレーション、リパワリングの検討など、太陽光発電に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。

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