自然エネルギーの特徴は、資源が枯渇しないこと
自然エネルギーは、一般的には「再生可能エネルギー」と呼ばれており、エネルギーそのものが枯渇せず永久的に利用できる点が特徴です。
日本では、再生可能エネルギーといえば太陽光発電の認知度が高いですが、それ以外にも水力発電や風力発電があり、さまざまなエネルギーを利用して発電が行われています。
自然エネルギーとは?
自然エネルギーとは、自然界に存在するエネルギーのうち、枯渇することがないエネルギーのことで、太陽のエネルギー、風力、水力、波力、地熱が含まれます。
なお、自然エネルギーについて範囲を広げてみると、石油や石炭、天然ガスなども自然由来のエネルギーといえますが、これらのエネルギーは有限であることから自然エネルギーには含まれません。
そのため、自然エネルギーは一般的に「再生可能エネルギー」と呼ばれています。ここでは、再生可能エネルギーのうち、風力発電、太陽光発電、水力発電に的を絞ってみていくことにします。
風力発電
風力発電は風の力を利用する発電方法で、風車の羽根が回転することにより風車の内部にあるタービンが回転して発電が行われます。発電効率を高めるため、風車は主にプロペラ式が用いられています。
風力発電のメリットはエネルギー変換効率が高いことで、発電を低コストで行うことができます。また、太陽光発電とは異なり、風が吹いていれば昼夜を問わずに発電することも可能です。
風力発電は、風車を数多く設置する必要があるため、広くて平らな敷地を必要としますが、山が多い日本では風車を設置するスペースが限られているため、海の上に風力発電所を設置する「洋上風力発電」の利用が検討されています。
特に、海上は陸上よりも風が強いことが多いため、洋上風力発電を利用することで効率的な発電が可能となります。
なお、日本においては、全体の発電量に占める風力発電の割合は小さく、環境エネルギー政策研究所の調べによると、2018年の時点でわずか0.7%にとどまっています。
その理由としては、風車の設置場所が限られることと、自然エネルギーとして太陽光発電の導入を積極的に行ってきたことがあげられます。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽電池を利用し、太陽光を受けることにより発電する方法のことです。
太陽光発電ではソーラーパネルを設置しますが、地面のみならず建物の屋根にも設置できるため、スペースを選ばない点がメリットとなっています。
ただし、太陽光発電は夜間に発電できないほか、曇りや雨の日には発電量が低下します。
日本では、太陽光発電の普及を図るため、電力会社が一定の期間、一定の価格で買い取ることを国が保証する「固定価格買取制度」が導入されています。これにより、日本では太陽光による発電が広く行われるようになりました。
環境エネルギー政策研究所の調べによると、2018年の時点において、全体の発電量に占める太陽光発電の割合は6.5%ですが、2014年の1.9%と比較するとその割合は大きく伸びていることが分かります。
水力発電
水力発電は、水が流れる勢いを利用した発電方法です。水の流れのある場所に発電用の水車を置き、水車が回る力を利用して発電を行います。
水の流れがある場所ならどこでも発電できるため、水力発電は比較的早い段階から利用されてきました。
また、日本は世界的にみると雨量が多く、水力発電を利用しやすい環境にあること、さらに、山がちな日本では急流が多く、山あいにダムを建設することで水の落差を発電に利用できるメリットがあります。
1950年代までは、日本においては水力発電のシェアが最も高かったものの、1960年代に火力発電が増えたため、水力発電のシェアは徐々に低くなりました。
しかし、自然エネルギーに限定すると、最もシェアが高いのは水力発電です。環境エネルギー政策研究所の調べによると、2018年の時点では、水力発電は全ての発電に占める割合が7.8%となっています。
参考:環境エネルギー政策研究所
https://www.isep.or.jp/archives/library/11784
現在、日本では火力発電が主流となっており、再生可能エネルギーのシェアは低いものの、太陽光発電のように全体のシェアが上昇しているものもあります。
持続可能な社会を目指すためにも、再生可能エネルギーを積極的に活用していくことが重要といえるでしょう。
(画像は写真ACより)