太陽光発電の「独立型」と「系統連系型」 どんな特徴がある?

コラム
2019年8月31日

住宅用では系統連系型が一般的

太陽光発電のシステムは「独立型」と「系統連系型」の2種類に分けられます。

大まかに分類するならば、電力会社の電気系統とつながっていないシステムが「独立型」であり、つながっているシステムが「系統連系型」となります。住宅用の太陽光発電は売電を行うことが多いため、系統連系型が一般的です。

独立型の太陽光発電とは?

太陽光発電の種類としては、「独立型」と「系統連系型」があります。それぞれの特徴についてみていくことにしましょう。

独立型の太陽光発電とは、発電した分を電力会社に販売せず、発電した分をすべて自家消費する仕組みのことです。

電力設備が電力会社のものとは独立していることからこの名称がついています。

太陽光発電は、太陽電池モジュールに当たる日光の量が多いほど発電量が多くなりますが、電力を自家消費している場合、電力消費量よりも発電量の方が多くなってしまうことがあります。

そのため、独立型の太陽光発電では余剰となった電力を蓄えるためのバッテリーが必要です。

バッテリーを利用することによって、発電量の多い昼間の時間帯に電気を蓄え、発電ができない夜の時間帯に蓄えた電気を使用することができます。これによって、電力の自家消費が可能となります。

独立型の太陽光発電で使用する主な機器は?

独立型の太陽光発電で使用する機器として、発電した電気を蓄えておくバッテリーが必須であることは先述しましたが、そのほかに必要な機器としてはチャージコントローラーがあります。

チャージコントローラーとは、バッテリーへの充電や放電を自動的にコントロールする機器のことです。太陽光で発電を行う場合、日照の有無、あるいは日照の強さによって発電量が変化するため、電圧は一定ではありません。

太陽電池モジュール側の電圧とバッテリーの電圧が異なる場合、電圧の低い方に負荷がかかってしまい、機器が損傷する場合があります。例えば、太陽光での発電量が多く、電圧が高い場合は、バッテリーに負荷がかかりやすくなってしまうのです。

そのような状況を防ぐため、チャージコントローラーで充電や放電を自動的にコントロールします。

また、直流の電流を交流の電流に変換するためにインバーターも必要です。太陽光で発電された電力は直流ですが、家電製品は交流の電流で作動するため、直流を交流に変換しなければなりません。そのためにインバーターを使用します。

系統連系型の太陽光発電とは?

系統連系型の太陽光発電とは、電力系統が電力会社の送電網に接続されている仕組みのことです。そのため、自宅、あるいは自社で発電した電力を電力会社に販売することができます。

系統連系型の太陽光発電は、発電した電力を自家消費できるだけでなく、発電時に余剰となった電力を売ることができるため、収益性がある点もメリットといえます。

太陽光発電の設備を設置するには多額の費用がかかりますが、系統連系型の太陽光発電であれば、電気代を節約できるだけでなく、電気を販売することによって収入が得られるので、長期的にみると太陽光発電の設置費用を回収することも可能となります。

住宅用に設置される太陽光発電の設備は、系統連系型の太陽光発電が一般的です。

系統連系型の太陽光発電で使用する主な機器は?

系統連系型の太陽光発電で使用する機器としては、パワーコンディショナーがあります。

パワーコンディショナーは、インバーターの一種であるため、直流の電流を交流の電流に変換する機能を有しています。

そのほかの機能としては、太陽電池モジュールが最大の電力を出力できるようにする機能や、ひずみのある電流である高調波電流の発生を防ぐ機能、余剰電力が発生したとき、自動的に電力会社の系統に電流が流れていく機能があげられます。

それ以外に必要は機器は、太陽電池モジュールで発電した電力をパワーコンディショナーへと送るための接続箱、太陽光発電で発電した量が表示されるモニターなどがあります。

また、電力計には、電力会社から供給される分のメーターだけでなく、電力会社に販売する分のメーターも必要です。

太陽光発電では太陽電池のほかにさまざまな周辺機器を必要としますが、太陽光発電のシステムについてあらかじめ理解しておくと、設置までの流れをスムーズに進めやすくなります。

(画像は写真ACより)