産業用だけでなく、一般家庭でも使用率が増えている太陽光発電。設置する際は、多くの過程を経て実装します。しかし、太陽光発電システムを設置する際は、使用する製品などの決定が必要です。
そのなかでも、パワーコンディショナーと太陽電池モジュールの決定は重要。製品によって第3者機関による認証がされているかどうか確認する必要があるためです。そこでパワーコンディショナーと太陽電池モジュールの認証について疑問ではありませんか?
今回の記事では、太陽光発電における第3者機関による認証について解説します。
認証を行う機関はどこなのか。何のために認証が行われるのか。認証の際に行われるチェック内容は何なのか。これらの疑問をこの記事を読むことで解消してください。
太陽光発電の認証はどこが行うのか
太陽光発電システムに使われるパワーコンディショナーと太陽電池モジュールの認証は「JET」によって行われています。
正式な名称は、財団法人電気安全環境研究所(Japan Electrical safety & Environment Technology laboratories)です。
1963年2月に設立され、電気製品に関する試験や研究を長期的に行っています。太陽光発電以外にも、燃料電池やガスエンジン、電気自動車などに搭載される蓄電池といった製品の認証を実施しています。
太陽光発電の認証って何のために行うの?
太陽光発電におけるJET認証は、主に信頼性や安全性の確保、系統連系の円滑化を目的として行われます。
JET認証を取得した製品は、性能が充分にあり、安全であることが証明されているので、ユーザーが機器を選択する際の参考にもなります。JET認証を受けると、該当製品の性能確認試験などのやり取りが省略でき、協議および検討にかかる時間が短縮化できるため、業者側にもメリットがあります。
また、国内にある大手メーカー製品のほとんどはJET認証を取得しています。国から補助金を受ける場合、JET認証を取得していなければ承認されないことがほとんどです。そのため、補助金の承認を得るために取得する場合もあります。
JET認証登録で行われるチェック内容
JETで行われている認証制度は、電気用品安全法などを基にしてつくられています。申し込んだ製品が基準に達しているか、性能は充分にあるか、常に同等のものが製造できる体制にあるかなどの試験を経て認証されます。
太陽光発電においては系統連系装置や太陽電池に認証が適用されます。太陽光発電システム用では出力が20kW未満のもの、太陽電池では10kW未満のものが適用範囲です。機能や性能、安全性を証明する試験に適合かを確認。
チェックの際は、製品説明書、組立図、部品一覧、電子回路構成、本体写真といった資料が基になります。
工場調査も行われ、同等の製品が継続的に製造できる体制にあるかチェックされます。
工場調査では、工場の組織図、QC工程表、品質管理リスト、最寄り駅から工場までの地図などの資料を基にチェックが行われます。
JETの認証が登録されるまでの流れ
JET認証を取得する際は、最初にJETに認証の申し込みを行います。申し込みのときには、市品の型番ごとに試験を受けることが可能です。
次に系統連系装置などの製品に対し、試験基準に適合するかの確認が行われ、性能、安全性をチェックします。ここで改善箇所があった場合、改善通知が送られます。
改善通知が送られた際は、改善説明書に改善した箇所を記入し、指定された期間内に改善済みの製品を要求された個数分送ることで再度試験が可能です。なお、期間内に対応できなかった場合は試験不合格となります。
性能試験が終了すると、工場調査を実施。同じクオリティで製品が製造できるかどうか確認されます。工場調査においても、不適合となった場合に改善通知が送信されます。性能試験と同じく、改善説明書に改善箇所を記入して提出することで再試験が可能です。
以上の過程をすべてクリアすると、申し込んだ製品の認証登録が行われ、JETのホームページにて公表されます。認証された製品には、出荷するまでにJET認証ラベルの貼り付けが必要です。
なお、認証有効期限は5年間になります。規定の変更があった場合は、有効期限の短縮が行われることがあるので注意が必要です。
また、太陽電池モジュールの試験であるJETPVm認証では、旧試験と新試験があります。旧試験では有効期間が5年間与えられます。新試験では定期的な工場調査などの認証継続要件を満たし続けることで無期限になります。ただし、試験基準が変更された際は、JETによって定められた期間中に指定された手続きが必要です。
(画像はPixabayより)
まとめ
太陽光発電の認証について理解できましたか?性能だけでなく、安全性を証明するための試験なので、太陽光発電システムを導入する際はJET認証がされているか、若しくはそれに準ずる国際的な認証(TUV, Intertek等)を基準に製品を選ぶと失敗しにくくなります。