毎年9月を中心に、台風による太陽光発電設備の被害が各地で報告されています。NITE(製品評価技術基盤機構)が2025年8月に公表したデータでは、台風による太陽光発電設備の電気事故は2019〜2024年度の6年間で54件にのぼり、特に9月に被害が集中しています。太陽光発電協会(JPEA)も、台風接近前の事前対策と通過後の事後対策について注意喚起を行っています。
【グラフ①:台風による事故件数(月別・2019〜2024年度)】
台風対策というと「飛散防止」「架台の点検」「冠水対策」が話題になりますが、本記事ではもう一つ見落とされやすい備え――「交換用パネルの事前確保」を中心に、公的データと当社の交換実績をもとに解説します。
目次
台風による太陽光発電の被害は、どこに出るのか
NITEのデータによると、台風で被害を受ける設備は太陽電池パネル・架台・PCS(パワーコンディショナ)・受変電設備と多岐にわたり、なかでもパネルと架台の被害が目立ちます。
【グラフ②:台風被害を受けた設備の内訳(被害箇所数)】
被害の特性は地形によって傾向が分かれます。平地や谷間、海岸沿いなど風通しの良い地形では強風による太陽電池パネルの破損・飛散が起きやすく、河川付近ではPCSの浸水が発生しやすい――これがNITEの分析結果です。つまり、強風と大雨の両面から対策することが重要になります。
被災したとき、パネルはすぐ交換できるとは限らない
被災後に発電を早く再開するには、破損したパネルの交換が必要です。ところが、ここで多くの発電事業者がつまずきます。FIT初期に設置したパネルは、すでに廃番になっているケースが多いのです。
出展:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
理由は、太陽光パネルのセルサイズが年々大型化しているためです。FIT最盛期(2012〜2015年頃)の主流は156mm角(M2サイズ)のセルを使ったパネルで、外形寸法はおおむね1,640〜1,960mm × 992mm前後でした。しかし現在流通するパネルはセルが182mm(M10)・210mm(M12)へと大型化し、当時と同じ寸法の製品は大手メーカーのラインナップからほぼ消えています。
その結果、被災後に交換しようとしても、同じ寸法のパネルが見つからず、現行の大型パネルでは既設の架台に収まりません。架台ごと改修が必要になり、費用も工期も膨らみます。さらに台風シーズンは被災が集中するため交換パネルの需要も一斉に高まり、調達に時間がかかります。復旧が遅れれば、その間の発電収入を失うことにもなります。
なぜ台風被害は「毎年」備えが必要なのか
NITEのデータでは、2019年(令和元年東日本台風=台風19号など)に事故が突出していますが、被害は毎年発生しています。台風の規模や進路は年によって異なり予測できないため、「今年は大丈夫」という油断は禁物です。
【グラフ③:台風起因の事故件数の推移(年度別)】
解決策は「同寸法パネルの事前確保」
こうした事態を避けるために有効なのが、被災してから探すのではなく、台風シーズン前に「自社のパネルが同寸法で交換できるか」を確認しておくことです。
FIT最盛期のパネルとほぼ同じ寸法でつくられた旧サイズパネル(同寸法パネル)であれば、既設の架台をそのまま流用して交換できます。わずかな厚みの差はスペーサーで調整可能で、架台改修にかかる費用と工期を大幅に抑えられます。1枚からの部分交換にも対応できるため、台風で数枚だけ破損したケースにも適しています。
実際の交換・リパワリング実績
Upsolar Japanは、台風や洪水による破損からの緊急交換、経年劣化によるリパワリング、数枚単位の部分交換まで、規模や被害種別を問わず対応してきました。大規模発電所での数千枚規模の交換実績もあります。
事前に確認しておくべきポイントは、現在使っているパネルの型番と外形寸法、そして架台の種類です。これらが分かっていれば、被災した際にも「同寸法品があるか」「どのくらいの納期で調達できるか」をすぐに判断でき、復旧までの時間を短縮できます。
万一被災した場合の注意点(安全確認を最優先に)
台風で設備が損傷した場合、JPEA・NITEは感電や二次災害を防ぐため、損傷した設備には手を触れないよう注意喚起しています。被災により故障していてもパネルは発電を続けている可能性があり、配線の断線や水没があると漏電・出火・感電の危険があります。地上設置(野立て)の設備で損傷が確認された場合は、発電設備の表示板に記載された事業者へ連絡し、電気主任技術者など知見のある方が点検を行うのが基本です。
台風シーズン前に、まず同寸法品の有無を確認
「自社の発電所のパネルは、被災してもすぐ交換できるのか」――この備えは、型番と寸法が分かれば事前に確認できます。
Upsolar Japanでは、FIT最盛期に主流だった240〜330Wクラス・各種寸法の旧サイズパネルを生産・調達しており、お手持ちのパネルの寸法から同寸法品の対応可否を無料でお調べしています。台風シーズンを迎える前に、万一に備えて交換用パネルの選択肢を確認しておきたい方は、お気軽にご相談ください。
▼ 寸法から探す(無料チェックフォーム)
よくある質問(FAQ)
Q. 台風で破損した数枚だけのパネル交換にも対応できますか?
A. 対応可能です。1枚からのご注文を承っています。被災後の緊急交換では、在庫品の場合2〜3週間程度で納品可能です。事前に同寸法品を確認しておくと、被災時により早く動けます。
Q. 廃番になった古い型番のパネルでも、同じサイズの交換品は見つかりますか?
A. 多くの場合で対応可能です。240〜330Wクラス・各種寸法の旧サイズパネルを生産・調達しています。型番と寸法をお知らせいただければ、同寸法品の有無を無料でお調べします。
Q. 同寸法品なら、既設の架台はそのまま使えますか?
A. はい。FIT最盛期のパネルとほぼ同寸法のため、多くの事例で架台の改修なしに交換いただけます。わずかな厚み差はスペーサーで調整可能です。実績ページでも、いずれの事例も架台を活かして交換しています。
Q. 台風の被害が多いのはいつ頃ですか?
A. NITEのデータでは、台風による太陽光発電設備の電気事故は9月に最も多く発生しています。台風シーズン前(夏まで)に事前の備えをしておくことが推奨されます。
参考文献・出典
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「太陽電池発電設備の台風被害、どう防ぐ? ~台風接近前や台風通過後の設備点検が重要~」(2025年8月20日) https://www.nite.go.jp/data/000158739.pdf
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)電気安全評価 ニュースリリース一覧 https://www.nite.go.jp/gcet/newsrelease/index.html
- 一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)「太陽光発電設備の『台風接近前の事前対策』と『台風通過後の事後対策』について(注意喚起)」 https://www.jpea.gr.jp/news/17059/
- 一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)「震災によって被害を受けた場合の太陽光発電システム取り扱い上の留意点」 https://www.jpea.gr.jp/news/13451/





