太陽光発電の設置で納税の義務!どんな税金が課せられる?

税金
2019年10月22日

太陽光発電では、税金も気に留めたい

太陽光発電を設置する場合、設置場所や設置費用については事前に考えておくことが多いですが、それ以外に考えておきたいこととしては「税金」の対策があります。

売電収入を得て所得が発生すれば「所得税」がかかるほか、太陽光パネルと周辺機器を所有した場合、あるいは空き地などに太陽光発電を設置すれば「固定資産税」がかかります。

さらに、太陽光発電の事業を法人で行えば、「法人税」を納める義務が生じます。

所得税

太陽光発電を設置して売電収入を得た場合、所得税がかかります。

所得税とは所得に課せられる税のことですが、所得とは、収入から経費を差し引いたものを指します。所得税は、収入に対して課せられるものではないことを理解しておきましょう。

太陽光発電の所得は、売電収入-(必要経費+減価償却費)で計算できます。

太陽光発電で売電したことによって発生する所得は、サラリーマンの場合は「雑所得」となり、事業を営んでいる場合は「事業所得」となります。

サラリーマンとして会社から給与を受け取っている場合、また、公的年金の収入が400万円以下で全額が源泉徴収されている場合、太陽光発電に関する所得が20万円以下であれば所得税は免除されます。

ただし、太陽光発電に関する所得が20万円を超える場合は、所得税を納める必要があります。

事業を営んでいる場合は、事業所得に太陽光発電の所得を合算し、控除の分を差し引いて所得金額を求め、所得額に応じて課税されることになります。

固定資産税

太陽光発電を設置している場合にかかる税金として「固定資産税」があります。

固定資産とは長期間にわたって使用できる資産のことですが、税法上における固定資産とは、土地、家屋、償却資産のことを指します。

償却資産とは、土地と家屋以外の資産を指しますが、太陽光発電においては太陽光パネルや架台のほか、パワーコンディショナー、電力計、送電設備などが当てはまります。

償却資産は、一定の期間にわたってその価値が償却されていくことになりますが、太陽光発電設備の償却年数について国税庁のサイトを調べてみると、以下の通りとなります。

太陽光発電設備は(中略)減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し、17年となります。
(引用:国税庁)

つまり、太陽光発電システムについては、17年間にわたって固定資産税が課税されます。また、空き地や山地に設置している場合、その土地を所有している間は固定資産税が課されます。

なお、償却資産にかかる税は「償却資産税」と呼ばれることがありますが、償却資産は固定資産に含まれるため、正しくは「固定資産税」となります。

太陽光発電で固定資産に当てはまるものは、太陽光発電設備を設置している土地と、太陽光パネル、太陽光発電に関する周辺機器となります。

そのため、空き地や山地などに太陽光発電を設置した場合は、太陽光パネルと太陽光発電に関する周辺機器のほか、設置した土地にも固定資産税がかかります。

住宅の屋根に設置した場合は、設置した場所が屋根であるため、土地の分の固定資産税を納める必要はなく、太陽光パネルと太陽光発電に関する周辺機器のみに課税されます。

固定資産税の税率は、固定資産の評価額×1.4%です。

ただし、固定資産の課税標準額が150万円を下回った場合は、固定資産税額が免除となります。

法人税

太陽光発電の事業を法人が行う場合、法人税を納付する必要があります。

法人税を計算する場合、分かりやすく考えれば、収益から経費を差し引き、その所得に課税されるといえますが、正確には、益金から損金を差し引きして所得を計算し、その所得に法人税率をかけたものとなります。

益金とは、収益から益金として計上しないもの(例:受取配当金)を差し引き、益金として計上するもの(例:貸付利息)を加えたものです。

損金とは、費用から損金として計上しないもの(例:延滞税)を差し引き、損金として計上するもの(例:貸倒損失)を加えたものです。

法人税率は、資本金が1億円以下の法人の場合、年800万円以下の分については15%、年800万円を超える分については23.2%となります。また、資本金が1億円を超える場合は一律23.2%となります。

なお、法人税にはさまざまな種類があり、その中の一つに自治体に納税する「法人住民税」がありますが、法人住民税は資本金と従業員数に対して課税されるため、赤字であっても納税する必要がある点に注意が必要です。

太陽光発電を家庭で設置した場合は、所得税の納税条件が所得20万円以上であること、そして、固定資産税は固定資産が150万円未満が免除となるため、税金の納税対象外となることがあります。

しかし、事業として太陽光発電を行う場合は、所得税、固定資産税、法人税の全てを納税しなければならないことが多いため、太陽光発電を設置する場合は、税金についてもあらかじめ理解しておきましょう。

(画像は写真ACより)