コラム

太陽光発電所の架台とは?その種類と基礎知識

架台
2019年3月14日

 太陽光パネルは一般的に架台(かだい、がだい)と呼ばれる金属の構造物の上に設置されます。各架台にはコスト、性質、施工性等の違いがあり、太陽光発電所を建設・運営する上で重要なポイントの一つとなります。今回のはその架台について基礎的な知識を整理してみました。

材質毎の架台の特徴

①ステンレス製架台

特徴

・耐久性が高く、錆びにくいため塩害地域に向いている。
・材質の強度は高いが、重いため施工性に劣る。
・他の素材に比べ値段が高いため、コスト負担が大きい。
・現場での穴開け加工が難しいので、長穴をあらかじめ開ける必要がある。
・撤去の際、リサイクルする事ができず別途処分費用が必要となる。

②スチール製架台:


特徴

・スチールのままでは錆びやすいが、亜鉛メッキやZAMなどのメッキ処理をして使われる為、通常よりは錆に強い。
・他の材質に比べ値段が安い。
・材質の強度はステンレスと同様に強いが、重量が重く現場加工がしづらい。
・長穴などの加工部分のメッキ処理はしないことが多いので、その部分は錆びやすくなる。
・他の素材に比べ値段が高いため、コスト負担が大きい。
・撤去の際、リサイクルする事ができず別途処分費用が必要となる。

③アルミニウム製架台

特徴

・材質の従来の特徴に加え、表面処理加工をするため錆びにくい。
・他の材質と比べ安価である。
・ステンレスやスチールに比べると強度がやや弱い。しかし成型の形を工夫する事によりより強度を高める事が可能。
・ステンレスやスチールに比べると軽いため施工性が良い。
・撤去する場合、リサイクル可能なため撤去費用を抑える事ができる。


架台基礎の種類について

①コンクリート基礎

コンクリート基礎はブロックの仕様により下記の3種類に分かれます。

〈1〉置き基礎

図1                図2

 置き基礎は基本的にコンクリートブロックを地中に埋め込みます(図1)。安定性も高く、引っ張り強度も高くなります。ただしブロック用の穴を掘るコストが掛かるので地面にそのまま置くだけの場合もあります(図2)。この場合、基礎の重さ及び土地との摩擦力で架台を維持するため、ブロックの重量とサイズを正確に計算する必要があります。陸屋根の場合は、建物屋根の荷重制限もあるので配置できない可能性もあります。

〈2〉布基礎

図3

 布基礎は一列の置き基礎ブロックが繋がった形状です(図3)。同じ断面サイズの場合、置き基礎より安定性と強度がアップします。但しコストは高くなります。置き基礎と違って、現場で基礎を作る為、地面に埋めての施工となります。

〈3〉ベタ基礎

図4

 ベタ基礎は各コンクリートブロックが全部繋がった形状です(図4)。布基礎に比べ安定性と強度が更にアップします。但しコストも一番高いため、一般的は建築物で施工されることが多い方法です。

②杭基礎

杭基礎は杭の仕様により下記の4種類に分かれます。

〈1〉単管杭基礎

 単管杭基礎は材料費、施工費共にコストが低く、初期の太陽光発電所によく使われていました。但しパイプを土地に差し込むという単純な形態のため、引っ張り強度を高く保つことが出来ません。実際に台風の被害報告も多く、JIS8955 2017年版に対応出来ない場合も多く、太陽光発電所への採用は減ってきています。

〈2〉一般スクリュー杭

 スクリュー杭は野立て案件では一般的に使われているポピュラーな基礎です。杭打機が必要となりますが、工事が比較的簡単で引っ張り強度も確保できます。ただしスクリュー杭の安定性は地盤の強度に依存する為、一般的にN値3以上が必要であり、地盤力の弱い農地などにはあまり向かないので注意が必要です。

〈3〉大羽スクリュー杭

 大羽スクリュー杭は写真の通り一般スクリュー杭より、ねじ部の突起羽が大きくなっています。地面への引っかかりが強くなる為、より高い引っ張り強度が期待できます。地盤が弱く、柔らかい土の農地等に使うの最適です。

〈4〉C型杭

 C型杭はC型の型鋼を地面に差し込む杭です。その構造により強度も確保できます。シンプルな構造ため施工性が良く値段が他の材質の架台より安くなります。但し差し込み式の為、単管杭と同じように上下方向の引っ張り強度が弱いと考えられます。

太陽光パネル設置の最適角度について

 太陽光パネルの設置に最適な角度は、地域や設置方法よって異なります。
日本では一般的に最大発電量を得るため設置角度は30度と言われますがこれは全国平均値です。
沖縄なら20度、北海道なら45度のように地域性があります。

また、最大発電量以外に風速や積雪量も考える必要があります。
九州など風速が大きい場合、風荷重を考慮し設置角度は10度や15度に抑えることも多くなります。
一方、東北地方の場合、パネル面に雪が積もらないようにする為に30度より大きい角度にすることもあります。

その他に、パワコンなどを架台の裏面に設置する場合、パネル角度が小さい場合はパネル下のクリアランスが十分に取れない為、各要素を総合的に考量して決める必要があります。

架台の高さについて

架台の高さのについても考慮すべき注意点が下記の通りあります。
・最大積雪量の雪が降った場合、パネル面が雪に埋もれてしまわないか。
・パワコンを架台の裏面に取り付ける場合、土地面及びパネル裏面より安全なクリアランスがとれているか。
・パネル面の高さが低すぎて、雑草が延びた際に影が掛からないか。

 ご自身で発電所を設計・計画する際、または既に仕様が決まった発電所の購入を検討されている際、 どの架台が自分の投資スタイルにあったものなのか判断するのは容易な事ではありません。今回のコラムが少しでもその判断のお役に立てればと思います。Solar Depotでは設計や架台の選定をアドバイスさせて頂きますので、ご検討中の案件があれば、ご連絡をお待ちしております。

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