太陽光発電の耐久性はどのくらい?長い間使えるものなの?

製品
2019年11月29日

導入後長く使用することになる太陽光発電。しかし、太陽光発電設備に使われる各製品の寿命はどれだけあるのか気になりませんか?

今回は太陽光発電設備に使われる各製品の寿命について解説します。

耐久性が関わる太陽光発電に必要な製品とは

耐久性を考えなければいけない太陽光発電に関連する製品は、主にソーラーパネル、パワーコンディショナー、売電メーターの3つです。

種類が多いですが、各製品に気を配らなければ、長く太陽光発電を運営するのが難しくなります。また、各製品ごとに寿命の年数が異なることも難題のひとつ。

長期的な太陽光発電運営を考える場合は、各製品の寿命年数とメンテナンスの内容や必要性について理解しておくことが重要です。

ソーラーパネルの耐久性は?

国税庁が設定する法定耐用年数によると、太陽光発電の寿命は17年となっています。しかし、ほとんどの場合は17年以上使用することが可能です。

ソーラーパネルの場合、寿命は約20~30年と法定耐用年数の約1.2~1.7倍となっています。理由は、パワーコンディショナーなどのように可動部がないために摩擦が起きにくく、故障が少なくなるためです。

また、ソーラーパネルの役割は太陽光を電気に変換させることであり、直接電気が流れるわけではないため、故障しにくくなっています。

ただし、これは目安となる年数であるため、より長く使えることもあれば、短くなってしまうこともあります。できるだけ長期的に使いたい場合は、メンテナンスを定期的に行うことが重要です。

パワーコンディショナーの耐久性は?

パワーコンディショナーにおける寿命年数は約10~15年と言われています。ソーラーパネルより故障しやすくなっています。理由は、ソーラーパネルにはない可動部が存在し、直流を交流に変換させるために電気を流すためです。

しかし、パワーコンディショナーにおいても一般的な数字よりも長く使用できる場合があります。

実際にもっとも早く実用可能な住宅用太陽光発電を設置している元三洋電機の社長「桑野幸徳氏」の自宅では、ソーラーパネルだけでなく、パワーコンディショナーも20年以上故障したことがありません。

なお、現在三洋電機はパナソニックに統合され、高性能な太陽電池として有名なHIT太陽電池もパナソニックから販売されています。

売電メーターの耐久性は?

売電メーターに関しては、ソーラーパネルやパワーコンディショナーと違い、性能が劣化していなくても10年に一度検定を行わなければいけません。これは法律で定められているため、絶対に必要となる事項です。

検定の際は、売電メーター自体を交換することがほとんど。新しい売電メーターになるため、古い売電メーターを使用しなくなります。

なお、検定および交換にかかる費用は太陽光発電設備を所有する方が負担します。費用は電力会社によって大きく異なり、無料で行ってくれる場合もあれば、10万円以上かかるケースもあります。

太陽光発電を長期間維持するためには定期メンテナンスが重要?

太陽光発電を長期的に使用するためには、定期的なメンテナンスが必要になります。

しかし、定期的にメンテナンスを行っていても、経年劣化による出力の低減などを防ぐことはほぼ不可能です。

なお、20年以上使用しているソーラーパネルの出力は定格の約90%ほどになると言われています。これは産業技術総合研究所による種類の異なる太陽電池を用いた5年間の実証試験によって明らかになっています。

ただ、劣化がほとんど見られないまま、太陽光発電を使用できているケースもあります。奈良県高市郡高取町にある壺阪寺に設置された1983年より稼働しているシリコン系太陽光パネルは30年以上も出力劣化がほとんどないことが分かっています。

こちらは2016年に産業技術総合研究所による稼働状況の調査で明らかになっています。

また、長く使用することだけを念頭に置いた運用をすることだけが必ず利益につながるわけではありません。理由は、太陽光発電を長く使用していくにつれ、よりスペックの高い新しい製品が生み出されていくためです。

状況に応じて製品ごと変えてしまうフレキシブルな対応も太陽光発電で利益を得るために重要です。

台風やヒョウなどの自然災害への対策も忘れずに

太陽光発電では建築基準法に基づいた取り付け方法が定められており、日常的に起こりうる強風などには耐えられるようになっています。

落雷なども懸念されますが、太陽光パネルは住宅の屋根に対して平行な角度で設置されるため、心配する必要はありません。また、落雷した場合でも被害が大きくならないよう、パワーコンディショナーに避雷器が仕込まれています。

地震に関してはメーカーごとに設置方法が定められており、揺れやねじれに耐えられるよう設置されます。

雪に関しても、地域ごとの積雪量に応じてパネル固定具を強化するため、心配不要です。海に近い地域では塩害対策を施したパネルから選択が可能。

ヒョウなどの落下物への対策としては、パネルの表面に強化ガラスを用いることで耐えられるようになっています。

以上のことから、太陽光発電における災害への対策は、すべて設置時に行われるため、ほぼ心配する必要がありません。

まとめ

太陽光発電設備に関わる各製品の寿命については理解できましたか?できるだけ寿命を長く維持して使用することで、後にかかるメンテナンス費用などを抑えることが可能です。

長期的に太陽光発電を利用したいと考えている場合は、どうやって各製品を長持ちさせるか考えることが必要になります。また、新たに出てくる新製品との性能差から乗り換えるかどうかの検討も重要です。