自家消費型太陽光発電 PPAスキームのメリット・デメリット

自家消費
2020年7月31日

自家消費型太陽光システムが徐々に脚光を浴びています。FIT単価の低下もありますが、企業のエネルギーコスト低減やBCP対策の意識が高まったのも要因の一つでしょう。

今回はその中でもPPAモデル(PPAスキーム)と呼ばれる手法の仕組みとメリット・デメリットについてお話しします。

まずPPAというのは(Power Purchase Agreement )の略です。企業が自社の屋根または敷地に太陽光発電システムを設置するのですが、その所有者は第三者の会社(多くは電力会社等)となります。所有が第三者となる為、初期費用が発生しません。

敷地を提供した企業は太陽光で発電された電力を使用し、その使用分に対して料金を支払います。契約期間後には発電所が企業に譲渡され自社の設備として引き続き電気代削減ができます。

ではPPAモデルにはどのようなメリットがあるのか挙げていきます。

PPAモデルのメリット

(1)初期投資・メンテナンス費用が不要 (予算化不要、メンテ不要)

これが一番の特徴です。太陽光発電を初期費用無しで導入できます。また所有は事業者なのでメンテナンスは事業者が行い手間がかかりません。

(2)契約期間後に発電設備が無償で譲渡される (無償譲渡後は大きな電気代削減)

契約後は自社の設備となり、太陽光から発電する電気は自社で使用します。

そのため大きな節電が可能です。

(3)災害時の停電リスクを抑えられる (パワコン、蓄電池からの給電)

他社の設備ではありますが、停電時には発電した電気を使用する事ができBCP対策ができます。 

(4)電力料金の上昇リスクを回避できる (燃料費調整額、再エネ賦課金の上昇)

燃料費調整額、再エネ賦課金のような変動費が上昇した場合でも自家消費の使用分に対する単価には影響はありません。

(5) 消費電力のうち再生可能エネルギーの使用比率を高められる (RE100参加、企業アピール)

太陽光発電からの電力を使用するため、再エネ電力の使用比率を高められRE100やその他外部へのアピールができます。

(6) 電力消費環境によっては毎月の電気代は現在の電気代より安くなる (無料+コストダウン)

契約期間を短く設定しなければ無償で再エネを導入し、更に導入翌月から毎月の電気代も下げられる可能性があります。

(7)自社で購入した場合と異なり会計的にオフバランスにできる (資産を増やさない)

他社資産として太陽光発電を導入するためROA(総資産利益率)が悪化しません。また固定資産税の支払もありません。

(8)副次的なメリットも得られる(屋根の遮熱や雨音の軽減) 

通常の太陽光発電で得られる副次的メリットもしっかり享受できます。

 

どうでしょうか、かなりのメリットの数ですね。ではデメリットはどうでしょうか。

PPAスキームのデメリット

(1)契約期間が長期である

10年以上の契約となるため、その間の移転や閉鎖ができなくなります。もしそうなった場合にはペナルティがあります。

(2)設置可能な場所が必ずあるわけではない

どの様な屋根でも太陽光システムが設置できるわけではありません。屋根の古さや種類によっては設置が出来ない事もあります。

(3)無償譲渡後は自社の設備としてケアが必要

無償譲渡後はメンテナンスが必要となり、会計的にも自社の資産にもなりますので契約終了後を見越してメンテナンスを導入する必要があります

(4)ある程度の規模が確保が必要

小規模な太陽光システムではPPAでの経済的メリットは薄くなる傾向があります。最低でも太陽光システム100kW前後から(設置面積約700㎡~)が対象となります。

ある程度の制約はあるものの、ご覧の通りPPAモデルは非常に優れたビジネススキームです。ご興味のある企業様は是非ソーラーデポにお問合せ下さい。

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