太陽光発電は一度建設すると発電能力をあげる事はできません(以前はパネルの増設が許されていましたが禁止となりました)。どちらかと言えば故障、影や汚れなどの発電量が落ちる原因に対して対処しどれだけ発電量を維持するかの戦いとなります。
ただしリパワリングを行えばルール違反をすることなく発電量をあげる事ができます。様々なリパワリング方法がありますが今回はパワコンの交換をすることによるリパワリングをご紹介します。また今回は仕様が非常に高いソーラーエッジ社のパワコンを例にお話しします。
リパワリングは比較的古い発電所が一番効果が上がります。
まず一つ目の理由は古い発電所に使われているパワコンの変換効率が低い事にあります。
例えば以前低圧発電所によく使われていたオムロンのKP55Mの変換効率は95%です。田淵電機の同様品は94%でした。一方ソーラーエッジ社の現在の単相パワコンは実に99.2%です。従ってパワコンの変換効率だけでも既に5%の差がつくことになり、これはそのまま発電量が5%上がると言ってもよいでしょう。
2つ目の理由はパワコンの機能です。上記で上げたような集中型のパワコンは、その配下にあるパネルの1枚でも影や汚れで発電量が下がると、その他全てのパネルの出力は一番悪いパネルの出力に引っ張られます。一方、ソーラーエッジはパネル2枚毎でMPPTを行っているため発電の悪いパネルがあっても、その他のパネルの発電量に影響しません。これによりシステム発電量では2%~10%が向上すると言われています。
3つ目の理由は古い発電所はFITの買取価格が高い事です。上記1,2で発電量に差が出たとしても、その売電単価が低ければあまり投資効果は見込めません。ただFIT30円を超えて来ると上記で発生した発電量の差を考えると20年間で300万円以上、売電額に差がつきます。(売電期間が残り15年前後の場合を想定)
これにもう一つ考慮すべき事がパワコンの交換費用です。もしリパワリングを行わない場合でも初めに設置したパワコンは20年間持ちません。必ず1回交換が発生します。ただしこの費用すべてを必ずオーナーが負担するわけではありません。大体のパワコンは10年保証がついています。運よく10年が終わる直前に交渉し無料で新しいパワコンをもらえればパワコンの交換費用は無くなります。
但し実際はそんな上手く行きません。7年目に壊れても売電終了まで残り13年あります。そうなればやはりパワコンを自費で交換するでしょう。5.5kWのパワコンを9台使っている場合で、運よくそのうち4台が保証による交換ができたとします。5台は自費での交換となりますので15万円/台としたら75万円となります。
先ほどの発電量の差は300万円ちょっと。避けられないパワコンの交換費用と合計すると400万円弱となります。もし売電5年目にパワコンをソーラーエッジに交換して250万円かかるとしても、最終的に400万円弱の効果がありますので20年間の合計では約150万円得する事になります。
特に現在一部影の影響を受けている発電所であればもっと効果が出る可能性がありますし、ソーラーエッジの監視装置は2枚毎にパネルの状態が把握できるため、今後の問題発見、メンテナンスの効率化にもつながりお金以外の効果もあります。
リパワリング効果を簡易的に計算できるシミュレーションが下記サイトでできますので是非お試しください。
https://www.solaredge.com/ja/repower
リパワリングにご興味のある方はソーラーデポまでお問い合わせください。