工場の電気代を削減できるデマンド管理と3つのポイントを紹介

自家消費
2020年9月25日

工場を持つ製造業のコスト削減において大きなテーマとなるのが、毎月かかる電気代の削減です。

電力自由化の影響で新電力を活用した電気代の削減が実現しましたが、工場に設置されている設備や機器による消費電力を如何に削減するか悩んでいる経営者の方も多いと思います。

この記事では、工場の電気代を削減できる方法やアイディアを皆さんに知っていただき、その中でもデマンド管理をして電気代の基本料金を効果的に減らすポイントについてご紹介していきます。

工場の電気料金を削減する方法

電気代 削減

まずは、電気料金がどのように算出されているのかを理解して具体的な電気代削減方法を考えてみましょう。

工場における消費電力の割合と、代表的な電気料金削減の方法をご説明していきます。

電気料金の仕組み

皆さんが毎月支払っている電気料金は契約容量で決まる基本料金、使用電力量に応じて増減する電気量料金、そして再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えるという算出方法になっています。

  • 電気料金=基本料金+電気量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金
  • 基本料金=契約電力×料金単価×力率割引
  • 電力量料金=電力量料金単価料×1ヶ月の使用電力 ± 燃料費調整単価×1ヶ月の使用電力
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金=再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×1ヶ月の使用電力

この中でも特に注目すべき項目について触れていきます。

価格変動を避けられない項目

年々増え続ける電気料金の原因として知っておきたいのが、燃料費調整単価と再生可能エネルギー発電促進賦課金単価です。

燃料費調整単価は、原油・石炭・LNGの直近3ヶ月の貿易統計価格が影響するため、世界の情勢による価格変動は避けられません。

再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(再エネ賦課金)は、国が定めた一律の料金となっており、2020年5月分〜2021年4月分の単価は2.98円に設定されています。

平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書では、再エネ賦課金は2030年まで増える傾向にあり、その後、値下がりが起こるという試算が出されています。

契約電力は最大デマンド値で決まる

工場の電気代削減において注目しておくべき項目が、最大デマンド値が反映される契約電力です。

デマンドは30分間の平均使用電力を指し、1日の中で最も使用電力が多かった30分間で最大デマンド値が決定されます。

契約電力は、1年を通して最も大きな数値となった最大デマンド値によって上下するため、電気料金削減を計画する上で最大デマンド値は無視できない存在となっています。

工場における消費電力の割合

製造業の消費電力においては生産設備が最も高い割合を占めており、その割合は全体の83%にも及び、次点で空調・照明機器の17%となっています。(資源エネルギー庁推計を参照)

設備の大規模な買い替えをすることで工場の電気代を大幅に削減することはできますが、省エネ設備の導入コストを考えると実現は難しいと言えます。

どのような電気代削減方法が現実的なのかは、この後の「主な電気代削減方法とアイディア」で触れていきます。

主な電気代削減方法とアイディア

電気代の削減方法は、即日取り掛かれるものから年間を通して行うものまでさまざまです。

具体的に挙げられる工場での主な電気代削減方法がこちらとなります。

  1. 空調の設定温度を1度以上変更する
  2. 照明をLEDに交換する
  3. 工場の稼働時間の見直し
  4. 電気契約プランの見直し
  5. デマンド管理

工場では大型のエアコンなどの空調が完備されていますが、この設定温度を1度変更するだけでも10%程度の使用電力量の節約が可能です。また、照明をLEDに交換することも電気代の削減に繋がります。

電気自由化により、現在はさまざまな新電力と契約を結べるようになりました。かつて市場を独占していた大手の電気会社よりもお得なプランを利用することができるため、良いタイミングで切り替えることが推奨されます。

基本料金に関わる契約電力を抑えるために最大デマンドを減らすという「デマンド管理」は、年間を通して計画的に行わなければなりません。デマンド管理は、システムの導入や自家消費型太陽光発電の導入などで実現させることができます。

デマンド管理をする際の3つのポイント

工場 電気代 削減

電気料金の仕組みや工場における電気代削減方法、アイディアをご説明しましたが、ここからは、先述のデマンドを管理して電気代を削減する際の重要なポイントを3つに絞ってご紹介していきます。

デマンドコントロールシステムの導入

基本料金を下げるためには、1年間を通して最大デマンドを抑えることが必要になりますが、たった30分間電気を使いすぎてしまうだけでこの計画は台無しになってしまいます。

そこで役立つのが、大規模な工場での導入が推奨される「デマンドコントロールシステム」です。

デマンドコントロールシステムは、最大デマンドが高くなりすぎないように制御できるシステムで、予め越えてはいけないデマンド値を設定することで、その設定したデマンド値に近づいた時にアラームを発し、使用電力を自動的に制御する仕組みになっています。

万が一の場面で自動的に使用電力をコントロールできるため、ヒューマンエラーによって最大デマンド値が越えてしまうというリスクを避けることができます。

導入する際のコストは無視できませんが、デマンドコントロールシステムよりも導入コストが安い「デマンド監視」も電気代削減に役立ちます。

デマンド監視

デマンド監視は、設定した最大デマンド値に近づいた場合にアラームを発するというデマンドコントロールと同じ仕様がありますが、アラームを発した後は人の手で使用電力量を調整する必要があります。

今まで意識していなかった30分間の使用電力に気を配ることで、従業員の省エネ意識を向上させ、節電に努めることができます。デマンドコントロールシステムよりも導入コストが安いため、小規模な工場での導入が推奨されます。

自家消費型太陽光発電と蓄電池を活用

デマンド管理は、自家消費型太陽光発電と併用することでより効率的な電気代削減に繋げることができます。

自家消費型太陽光発電は、工場の屋根や敷地内に太陽光パネルを設置することで発電した電力を自由に消費、蓄電するものです。

自家消費型太陽光発電を導入するだけで電気料金を削減できるメリットがありますが、消費電力がピークに達する時間帯に合わせて自家発電で得た電力を消費すれば、デマンドを抑えることが可能になります。

また、電力を使わない時間帯に蓄電池を充電しておけば、工場が稼働している時間帯に溜まった電気を使用できるため、ピークシフトをすることができます。

自家消費型太陽光発電は工場の電気代削減方法の1つですが、節税対策やBCP対策にも繋がるという側面があります。

【自家消費型太陽光発電で得られるもの】

  1. 電気代削減に繋がる
  2. デマンド管理に役立つ
  3. 屋根に設置した場合、室内の温度上昇を抑えられる
  4. BCP対策(事業継続計画)に繋がる
  5. 中小企業経営強化税制の対象になる
  6. 補助金を受けられる
  7. 非常用電源として利用可能

工場の電気代を効率的に削減できる自家消費型太陽光発電は、再生可能エネルギーを使った地球環境にやさしい発電ができるため、企業のイメージアップを図る目的での導入例も増えています。

まとめ

工場の電気代削減を計画する場合、設備の大規模な買い替えよりも電気契約プランの見直しやデマンド管理から着手することが現実的です。

最大デマンド値を抑えるためのデマンド管理は、毎月の電気代の基本料金を減らせるだけではなく、従業員の省エネ意識を高めるという相乗効果もあります。

また、自家消費型太陽光発電と併用することで、より効果的に消費電力を抑えて電気代を削減することが可能になります。

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