太陽光発電の獣害被害を防ぐには

メンテナンス
2018年4月20日

「太陽光発電所に野生動物が侵入して、設備が壊されてしまった」という話を聞く事があります。発電所の構内へ侵入する動物は多種多様で、その被害も大小さまざまですが、被害を放置しておけば、売電損失を被るばかりか、火災事故を招く危険性もあります。決して侮れない獣害対策について、基本的な対策を紹介します。

さまざまな獣害被害

獣害被害の例として、ネズミやイタチなどがケーブルを噛んで断線を引き起こしたり、イノシシや鹿がパネルの上を踏み歩いて破損したりすることがあります。

また、鳥類の糞や運んでいた石や貝などの落下物により、パネルの汚れや、破損につながるケースもあります。特に水鳥は糞の量が多く、水分を多く含むため、コーティング剤を溶かして、パネルをひどく劣化させてしまう事もあるようです。

対策1. フェンスやラックカバーの取り付け

ケーブルの保護であれば、地中に埋没させたり、ラックカバーで覆う事が有効です。また、設備全体にフェンスを張り巡らせることで、イノシシや鹿などの侵入はある程度防ぐことができます。

ただし、イノシシがフェンスの下を掘って構内へ侵入したケースもあるようなので、そうした被害がある場合は、穴掘り防止用金網の設置も検討すべきです。

対策2. 撃退装置の設置

事前対策の一つとして、動物が嫌がる音や超音波を発する装置を設置して、野生生物を撃退することもあげられます。ただし、光や音に慣れてくれば効果は薄れ、根本的な解決とはならないので、他の対策も並行して考える必要があります。

対策3. 雑草を生やさない

鳥類が構内に侵入する大きな理由の一つとして、エサとなる昆虫や小動物を求めて構内に入り込んでくることも挙げられます。そのエサとなる小動物や昆虫を減らすためには、身を隠す場所となる雑草を刈り取ることです。小動物や昆虫が住みにくい場所となり姿を消すことで、鳥類などの野生生物も近寄らなくなる事が期待できます。

周辺の野生生物を把握しよう

まずは所有する発電所に、どのような野生生物が訪れるのか、把握する必要があります。

発電所の設置環境によって生息する野生生物の種類は異なります。付近に生息していない野生生物の侵入を防ぐために労力を割くのは無意味です。

発電所周辺の環境をしっかり把握して、対象となる動物に対する有効な対策をしっかりとする必要があるかもしれません。