アパート・マンションに災害停電対策で太陽光自家消費を導入する場合

自家消費
2021年2月2日

こんにちは。太陽光システムのプロ集団ソーラーデポです。

昨今、太陽光の自家消費システムに関してアパートやマンションの管理組合の方から問い合わせを頂くケースが増えております。出来る限り早く設置したい方や大規模修繕のタイミングに合わせて設置をする方、色々なケースがあります。

よくある目的は…

1.災害停電時にエレベーターを動かしたい

2.災害停電時に機械式駐車場を動かしたい

3.災害停電時に住民が使える電源を共有部分に確保したい

4.共用部分の電気代を下げたい

共同住宅に太陽光自家消費は向かないケースが多い?

残念なことにアパート・マンションからのお問い合わせでは自家消費システムの導入が頓挫する事が多くなっております。

その理由は何でしょうか?

まず一つ目にエレベーターや機械式駐車場のような大きな電力を消費する機器を停電時に動かす事はほぼ無理である事です。太陽光発電は文字通り太陽が出ている間しか発電できません。もし太陽光発電の電力を当てにしてエレベーターや機械式駐車場を動かすと電力が安定的に確保できるわけではないので非常に危険です。

では『蓄電池に溜めた電力を使うのはどうか?』というと、これも実はできません。生命に関わる様な機器の負荷をカバーする事は各産業用蓄電池メーカーはNGとしているからです。理由は上記の太陽光の電力と同じで必ずしも安定しているとは言えない為です。これらの理由により元々の目的が達成できず断念される事になります。

二つ目に難しい理由は、多くのケースで太陽光パネルを置ける屋根が小さいという事です。昔の共同住宅は長方形で屋根が比較的広めにとれていますが、比較的新しいものは屋根が段々になっていたりする事で広さが十分ではありません。また給水塔やフェンス、その他の機器が置いてありパネルの影になるためその部分を避けるとパネルの数が少なくなります。

また中小規模の工場等に比べると屋根面が高い事が多く、屋根に部材を上げるための費用がかかります。太陽光システムは大きくなる程コスト効率があがりますので、小さいわりにコストもかかり、投資回収に15年、20年とかかるという結果になってしまいます。

三つ目の理由は電気代削減を目的とした場合、もともと使っている電気が工場等に比べると少ないという事です。社屋や会社は月に500万円、1000万円のように電気を消費します。太陽光システムでその10%安くなっただけでも何百万、時には何千万円というコストダウンになります。しかし共同住宅は共用部が主な削減先になり、それらは年間50万円、100万円の電力使用量ではありません。すると高価なシステムを付けた割に削減効果は10万円単位となり良い結果がでません。

四つ目の理由は仮に蓄電池がエレベーター等に使えたとしても、必要な電力容量が多くなるので産業用の蓄電池が必要となります。産業用の蓄電池は非常に高価で安くても電池だけでも概ね1000万円~となります。

アパート・マンションは太陽光システムを諦めるべきか?

ではアパート・マンションは太陽光システムや蓄電池を入れるべきではないかと言うとそうではありません。弊社がお勧めしている提案がいくつかございます。

それは小型太陽光システム(10kW前後)+家庭用蓄電池(10kWh台)を設置する事です。環境や仕様によりますが太陽光システムの電力を蓄電池に貯められます。そして蓄電池から住民が使えるコンセントを管理人室・集会場等の共用部分に新設し、災害時の停電時に住民に開放します。

またポータブル蓄電池を数台おまけで付けるのも良いです。非常用コンセントとポータブル蓄電池の数台で住民の携帯、PC、炊飯器等の使用が可能となります。小型太陽光、家庭用蓄電池、ポータブル蓄電池はいずれも高額ではないので数十~数百万円の投資で実現できる可能性が高くなります。

アパート・マンションの管理組合様で自家消費や災害対策にご興味、ご質問がある場合はソーラーデポまでご連絡ください。

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