設置場所は家の屋根に限らない!空き地などを活用して太陽光発電

コラム
2019年12月6日

個人で所有している空き地を使って発電が可能

個人が太陽光発電を設置する場合、家の屋根が一般的となりますが、空き地を所有していれば太陽光発電を設置することが可能となります。

太陽光発電を設置できる空き地としては、山や耕作放棄地などが考えられますが、設置を検討しているのであれば、メリットとデメリットをあらかじめ理解しておきましょう。

空き地や遊休地を太陽光発電に活用

家の屋根以外に太陽光発電を設置できる場所としては、「空き地」や「遊休地」があります。

例えば、宅地内にある空き地や耕作放棄地となっている農地、使用されていない山などがありますが、太陽光発電を設置する場合は、発電量を増やすためにもまとまったスペースの土地が必要となります。

宅地内にある空き地は、スペースが狭いうえに周囲が住宅に囲まれているため、発電に必要な日射量が確保しにくいことから、太陽光発電を設置するには適していないといえます。

その点、山や農地はまとまったスペースが確保でき、発電に必要な日射量を十分に確保しやすいことから、太陽光発電の設置に適しているといえるでしょう。

ここでは山と農地に太陽光発電を設置する場合についてみていくことにします。

山に太陽光発電を設置するメリットは?

山に太陽光発電を設置するメリットは、斜面の向きと傾斜具合によっては発電効果を十分に高められることです。

太陽光パネルを設置する場合は、発電効率を高めるために適度な傾斜が必要となりますが、山の斜面であれば、住宅の屋根と同様に適度な傾斜がついているため、斜面を活かした状態で太陽光パネルを設置できます。

しかも、山の斜面が南の方向に向いていれば、より効率的に発電することが可能です。

また、山を活用しながら価値を生み出せることもメリットとなります。

現在では、山を所有していても価値を生み出すことは難しい状況といえますが、太陽光発電を設置すれば売電収入が得られるため、山を存分に活用することができます。

山に太陽光発電を設置するデメリットは?

山に太陽光発電を設置する場合、デメリットについても把握しておきましょう。

山に太陽光発電を設置するデメリットは、樹木を伐採する手間と費用が発生することです。

山に生えている樹木は意外と多いため、太陽光発電を設置するコストだけでなく、伐採コストもかかることになります。伐採コストを上乗せしても十分な収益を確保できるか、という点についてもあらかじめ確認しておく必要があります。

さらに、山林を伐採して太陽光発電を設置すると、環境破壊と非難されることもあるため、環境との折り合いをつけることも必要といえます。

また、太陽光発電を設置する場所が他者の山林に囲まれている場所である場合、長期的にみると日射量が減少してしまうことも考えられます。

なぜなら、樹木は常に生長し続けるため、太陽光発電を設置した時点ではある程度の日射量が確保できたとしても、樹木が生長し続けることにより、日射量が確保しにくくなることがあるためです。

山に太陽光発電を設置するデメリット以上にメリットが期待できるか、という点が太陽光発電を設置する判断の材料になるといえるでしょう。

農地に太陽光発電を設置するメリットは?

農地に太陽光発電を設置するメリットは、広いスペースを有効に活用できるため、まとまった発電量が期待できることです。

スペースが広いほど太陽光パネルを多く設置できるため、効率的な発電が可能になります。

特に農地が耕作放棄地となっている場合、農作物の生産ができないために収益が発生しない状態となっていますが、太陽光発電を設置することで収益が発生する点はメリットといえるでしょう。

また、売電する場合は周囲に送電線が設置されている必要がありますが、農地の場合は山とは異なり周囲に送電線が設置されているケースが多いため、山に設置する場合と比べると、太陽光発電の設置費用を抑えやすい点もメリットといえます。

農地に太陽光発電を設置するデメリットは?

農地に太陽光発電を設置するデメリットは、「農地転用」の手続きを行う必要がある点です。

そもそも、太陽光発電は農地に設置することができないため、農地以外の地目に変更しなければなりません。

しかし、農地の転用は、小規模な農地や市街地の周辺にある農地を除き、原則として許可が認められていません。

その理由は、農地が乱開発されてしまうことを防ぐためですが、それに加え、農地の地目を変更して別の用途に利用すると、再び農地として戻ることが難しくなってしまうためです。

農地に太陽光発電を設置することは、条件的には難しいケースが多いですが、設置を検討している場合は、市町村の農業委員会に問い合わせをすると良いでしょう。

太陽光発電は家の屋根以外でも発電することが可能となっています。空き地が太陽光発電に適しているのであれば、土地の状況を踏まえたうえで太陽光発電の設置を検討してみましょう。

(画像は写真ACより)