FITの残り案件のコストをなるべく安くあげて投資効率の良い発電所を作るため販売施工店様、施主様は日々努力されていると思います。
その行動自体は必要で、そして健全であり無駄に高い太陽光発電所は再生可能エネルギーの普及の弊害にもなります。
但し一つ注意しなければならないのが架台の金額についてです。では何故架台だけは特別に注意が必要なのでしょうか。
架台は案件ごとにほぼオーダーメイドで生産しています。これは土地の広さや設置するパネルのサイズ、設置場所補の風速などが異なる為です。もしあなたがメーカーに架台の価格を強力に交渉したらどうなるでしょうか。メーカーはあなた向けの架台の仕様を変えてコストを削ります。これはある程度オーダーメイドな架台だから出来る技です。もちろん商社やメーカーが利益を削って価格を安くするケースもありますが激安な価格を出す為にはこれだけでは足りません。
一般的に下記を行えば架台の原価は下がっていきます。これの怖いところは完成品を見ても品質の善し悪しがわからないという事です。開梱した姿も、組み立てた姿も素人目では同じに見えます。これらの行為はどれをとっても強度低下につながります。
・表面処理皮膜を薄くする
・杭間のピッチを広げる
・レールの厚みを薄くする
・W型からN型、A型にする
一方パネルやパワコンはどうでしょう。大量生産を一定の部材や品質基準で生産しているので逆に仕様を変えて安くする事が難しいのです。従ってパネルやパワコンの値下げは必ず業者の利益を削って行われます。業者には頭痛の種ですが施主にとっては品質は維持したままコストダウンとなります。
もう一つお伝えしたいことは、他社に比べて10%も20%も安いアルミ架台はおかしいと疑ってみる思考が大事という事です。
中国のアルミ架台の大部分は厦門(アモイ)で生産されています。同じ地域に同じ業種の会社がひしめき合っている状態です。従ってそこで働いている人の給与水準はほぼ同じはずです。またアルミ架台はアルミを加工してできています。従って原材料のアルミ価格に大きく影響されます。アルミの市場価格は他の金属同様にどの業者が買ってもほぼ同じような価格になります。
同じ様な人件費、材料費であるにも関わらず他社にくらべて10%、20%安いというのは普通に考えてもおかしいです。メーカーや業者が好意から自社の利益を度外視で営業をしているのでしょうか。そんな企業はありません。
そもそも架台は発電所の土台、基礎です。自分の家を建てる時に金額を抑えるためにしても土台を安物にする人はいないと思います。それなら壊れても修理や交換が可能な壁や装飾品、家電のレベルを下げて金額を下げると思います。
架台は後で修理や交換ができません。錆びや腐食があって修理する場合はパネル、ケーブルを外す必要があります。全て繋がっていますので問題部分だけ取り除くという事もできません。大規模な修繕となる事は必至です。そのままにしていると台風や強風が来る度に心配する事になり不安が尽きません。
みなさまも架台だけはしっかりしたものを使われる事をお勧めします。