FIT法に基づき太陽光システムの点検が義務化されました。今回は太陽光システム検査機器について説明したいと思います。
I-Vカーブトレーサー
I-Vカーブトレーサーは、太陽電池のモジュールやストリングのI-Vカーブ測定が出来る機器です。
①I-Vカーブ
I-Vカーブは下図のように、太陽電池から出力される電力における電流と電圧の関係をプロットしたものです。
I-VカーブのX軸の交点Voc はモジュールに何も接続していない解放状態、即ち電流が流れていない状態での電圧であり、開放電圧といいます。Y軸の交点Isc は、モジュールの負荷をショートさせた時に流れる電流で短絡電流といいます。
解放電圧と短絡電流は太陽電池の性能を示す代表的なものであり、I-Vカーブはその中間の状態を示しています。
②使い方
細かい使用方法は機器のメーカー毎に異なる為、ここでは活用法について書きます。
まずI-Vカーブトレーサー使って各ストリング単位のカーブを測定します。そしてカーブに異常がある場合
(綺麗なカーブを描いていない)、そのストリングのどこかに異常がある可能性があります。
従って今度はストリング下のモジュール毎のカーブを測定すると、カーブの異常を起こしていたモジュールに
あたります。こうやって大きなところから小さく絞っていく方法が最も効率的です。
③メリット&デメリット
メリット: チャートで表される為、異常ストリングの判別が良いである
デメリット: 日射量、温度の影響を受けるため、測定環境、時間の制約を受ける。
詳細なI-Vカーブ分析、判断には専門知識と訓練が必要
故障位置測定器
①名前通り、異常が発見した場合、異常発生した場所を特定するための機器です。
代表的の物はソコデス、ソラメンテなどです。下記絵はソコデスで、異常が発見した場合の画面になります。
②使い方
使用方法はI-Vカーブトレーサーと同じです。先ずはストリングで測定して、異常があるストリングの
モジュールを一つずつ測定していくと問題のモジュールが発見できます。
③メリット&デメリット
メリット:
容易に異常ストリングの判定が可能
測定環境、時間の制約を受けにくい
デメリット: モジュール、クラスタの故障等、細かい故障原因がわからない為、
I-Vカーブトレーサーやラインチェッカー等の別の機器を使い原因特定をする必要がある。
使い分けについて
I-Vカーブトレーサーと故障位置測定器は、下記の表のように、使い分けします。